子供の頃の本買取の思い出です。
ある時、祖父の家に掃除を手伝いに行ったところ古紙として大量に捨ててある本の山が…。
これはひょっとしたらお金になるのでは?と思って祖父に貰っていいかと聞くと、ゴミに出すものだから構わないとのこと。
祖父の家の整理を手伝ったことで既にお小遣いを貰えた上に何やら宝の山をもらったような気持ちになりました。
色んな本がありましたが状態はまぁ悪くはなさそうです。
一冊安くても10円として、20冊はあるから最低でも200円にはなるだろうと思い自転車のハンドルに左右10冊ずつぶら下げて頑張ってブックオフまで走りました。
今思えば、たった200円稼ぐ為に当時は随分必死になれたものだなと思います。
3キロ程離れたブックオフに持っていくと、早速買取の査定に。
査定が終わるまで店内の漫画を立ち読み。
夏休みだったのでお店も涼しく快適でした。
今から売れたお金でアイスでも買おうかなどと考えていると査定が終了。
結果は、50円。
そんな馬鹿な。
店員さんに詳しく話を聞くと何冊か値段がつかない本があったらしく。
しかもそのうちの一冊はなんと祖父が自分で書いた本でした。
それはそれで売らなくて良かったかなとも思いましたが値段がつかないと言われてしまったことはちょっと黙っていなくてはと思いつつその本だけはこちらで引き取り、あとは向こうに処分してもらうことにしました。
暑い道のりを3キロ、古本を両ハンドルにぶら下げて走ったことを考えると片手に握られた50円と反対の手に持っている祖父の著書はなんだか悲しく写るのでした。
50円ではガリガリ君すら買えません。
仕方がないので祖父からもらったお小遣いを削ってガリガリ君を買い(その時点で売った分の50円は消えた)帰りに川沿いのベンチでそれを食べながら、祖父の本を読んだのでした。
買取が出来なかっことが功を奏したのか、祖父が亡き今はその本は大切な形見として今も本棚に入っています。