はじめの5、6ページを読んだあたりから自然に引き込まれていきました。
高校の同窓会で旧友たちと再会を果たし、思い出話に華を咲かせるだけならよかったのですが、語らっているうちに話は意外な方向へと進んでいきどんどん先を読みたくなります。
強い名古屋弁での会話というのも珍しくて興味が沸きました。
最近の若い人たちはあまり使わないであろう、「行こまい」「言っとるがや」などの言葉使いが身近に感じました。
小説の舞台は名古屋や愛知の郊外です。わかりやすく細かい情景の描写は想像しやすいです。
旧友と会話するうち、ある体育教師への恨みをみんなが口にするようになります。
仲間内の一人がノリで復讐を提案します。実行するまでは臨場感溢れる内容でハラハラしました。
復讐の内容は残虐なのものではなく、子供じみたものでした。しかし、決行後思いもよらぬ展開が待ち受けていました。
大きな事件へと発展してしまい、今度は仮面同窓会を実行した仲間内同士で疑い合い、警戒しあうようになります。
最後は全く予想だにしなかった結末にただただ茫然とするばかりです。
エンターテイメント性が高く、一体この後どうなるんだと一気に読み進めることができるでしょう。
序盤から感じる違和感なども合わせて楽しめる物語です。