沈まぬ太陽 御巣鷹山編を読んで

沈まぬ太陽御巣鷹山編は、主人公の勤める航空会社の旅客機が御巣鷹山に墜落し、500人強の死者を出した事件を起こした所から始まります。
主人公はその遺族係として、事故で家族を失った遺族の対応に追われる姿が描かれます。
この小説は日本航空が実際に起こした御巣鷹山墜落事故をベースに書かれた物で、綿密な取材に裏打ちされたディティールは圧巻の一言です。
そういった作者の手法を揶揄する向きもあるようですが、力感のある小説である事に変わりはありません。
小説の中では突然家族を失った人々の様々な感情が描かれます。
どの遺族の悲しみ苦しみも、非常に読み進めるのが辛く、胸を打つものばかりです。
特に父親の遺書を見つけた青年の件は、並だ無くして読む事は出来ません。ま
た、大企業の事故後の対応という面でも考えさせられる事が多く、事故後の凄惨な現場の実態、何故事故が起こってしまったのかという、企業の体質の問題、そしてそれに翻弄される人々と、重厚な物語が展開されます。
沈まぬ太陽は3篇の物語からなるお話ですが、御巣鷹山編は未曽有の事故に翻弄される人々の姿を描いた読み応えのある内容です。
全3篇全てを読むことをオススメしますが、まずはこの御巣鷹山編だけでも読まれてみると良いと思います。